https://gigazine.net/news/20190617-hawks-pursuit-prey-guidance-system/
タカは鳥類の中でも積極的に狩りを行う猛禽類の一種であり、古くから人間は訓練したタカを使った狩りなども行ってきました。
そんなタカが獲物を追跡するシステムは、同じ猛禽類のハヤブサとは違ったものであることを、オックスフォード大学の研究者らが発見しました。
空を飛ぶ捕食者には多くの種類が存在し、コウモリのように超音波を使ったエコーロケーションを利用するものや、
ハヤブサのように遠距離から猛スピードで獲物に接近して仕留めるものなどがあります。
オックスフォード大学の動物学者であるキャロライン・ブライトン氏らによると、空中捕食者は形態や生息する環境、獲物のタイプなどにより
それぞれ違った狩猟スタイルを持っているとのこと。
たとえばハヤブサが持つ幅が狭く重い翼は、開けた環境において遠距離から高速で獲物に向かって飛び、捕食するスタイルに適しています。
その一方で、タカの翼はハヤブサの翼に比べて幅が広く軽いために方向転換がしやすく、油断した獲物を急に方向転換して襲ったり、
狭い場所を逃げ回る獲物を捕らえるのに適しています。
しかしこれらの形態がもたらす飛行能力の差だけでなく、獲物を追跡する方法も狩猟スタイルによって違うそうです。
研究者らは既に、ハヤブサとタカは獲物を追跡するシステムにも違いがあることを知っています。
ハヤブサは「ホーミング誘導式ミサイル」のような追跡システムを持っており、視線に捉えた獲物に対して、自分が飛行する方向が
常に一直線になるように向きを変えて追跡しているとのこと。
つまり、獲物は常に視界に占める位置を変えることなく、近づくにつれて視界に占める獲物の大きさだけが変化するイメージです。
この追跡システムは、空中を飛ぶ鳥のように滑らかに移動する対象については有効なものの、陸上を走るウサギやリスなど、
ジグザグに走って逃げる対象には不向きです。
ハヤブサは常に獲物の背後や上空から追尾するような形になるため、ジグザグに逃げられると追跡距離が非常に長くなってしまいます。
これに対して、タカは獲物に対して一直線になる位置を取らないそうで、ハヤブサとは違う追跡システムを持っていることが示唆されてきました。
そこでブライトン氏らの研究チームは5羽の訓練されたタカの一種であるモモアカノスリを使い、ジグザグに逃げるダミーの獲物を追いかけさせ、
その様子をムービーに収めて分析したとのこと。
実際に研究チームが撮影したムービーがこれ。

(中略)
およそ50回の試行を繰り返し、撮影したムービーを分析してコンピューターシミュレーションを行った結果、タカは獲物に対する視線の角度と、
獲物が移動する方向をフィードバックして追跡を行っていることが判明しました。
研究チームがタカの飛行する方向と獲物の進行方向を表した画像がこれ。
青い線がタカの進行方向を示しており、ピンク色の線が獲物の進む方向を、灰色の線はタカと獲物の位置関係を示しています。
青い線とピンク色の線が重なることはほとんどなく、タカは獲物の進む方向を視界に捉えた動きから予想して、
仕留める一点で獲物と交差するように追跡していることがわかります。



この追跡システムは近距離からの狩りを行うタカにとっては有効ですが、遠距離からの攻撃を仕掛けるハヤブサにとっては、
非効率な飛行経路を生み出す可能性があると研究チームは指摘。
タカもハヤブサも、自身の狩猟スタイルに合わせた追跡システムを持っているといえます。
なお、今回の研究結果は単なる動物についての興味だけにとどまらず、飛行するドローンを追跡するシステムなどにも応用できる可能性があるとのこと。
都市のような雑然とした環境でドローンを追跡する際に、タカをはじめとする猛禽類の狩猟スタイルが有効かもしれないと研究チームは述べました。

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